正直 ま 水気 い 水 み やさかにのまが玉 た真
慈悲 こ 命 温熱の命 火 こ 宝 やたの鏡 か
堪忍 と 呼吸 ち 風 と とつかの剣 ら
気は長く心は広く勤めは堅く気は長くと云うは堪忍を旨とし何事にも癇敵癇癪を出さず、又何事に懸かりても捲まざるを云う、心広くと云うは何事にも心を動せず先を案じざるを云う也、勤めと云うは言行一致の事なり。
玉は月様、鏡は日様、剣は風、かしこ根の尊。刃物で有っても切り分け。空気は月日、かしこ根の尊の御働きで息風となる。言葉は月日の賜物風陽気也。正直から情けが出る。慈悲と堪忍と三つが誠(真事)なり。誠は神也。誠より尊き心なし。
水火風、是より上の宝は此の世にない。是が人間万物の命なり、人間の肉体を始めとし一切動物の肉体宇宙の万体は悉く此の水土温熱風にて産み出され此の世に生命を有し活動をなす神が命なり、故に神様を尊、命と云う。
月様の刻限は何千年たっても一つも変らぬのが正直。其の分心が人間故正直でなくてはならぬ。八日なれば半月、半月なれば半分が御光がない御照らしない。是程正直はない。其の理が皆身の内に有るのだから大きくても月様小さくても月様、真直ぐは正直。正直、正しいは神。天理は明らかと仰せ下さる故に、水程正直なるものはない。水程ろずくなものはない。
人体にては目程六つくなものはない。一寸の曲みでも見分かる如く、水はろっくの本。正直水によって此の世は曲直を分ける事が出来る。例えば建築地の高低を分けるに水盛定規、皆水が正直の元。此の世は水が元水が台にて立ち行く治まる。水は宇宙の万象に現す元素にして、千変万化万体の徳を出す根元なれば即ち人間万物の本家親玉也。
水程低いものはない。水は月様の御心、下が可愛い/\と下を下をと流れ巡って万物に入込み、循環して万物を養い下さる此大徳が親心也。情け也、水は宇宙間切れ目無く隔てなく万物養い続ぎ育てる徳が情けなり。故に水程力有るものはない。
例えば何万噸の軍艦も水があれば浮かぶが如し、所謂方円の器に従いて万能の効用働きを成すの大徳を例えば人間親は我子を養育する情けの心味わいと同じ。
此の世は水の世界万物は水土より生じ、水気入込んで生成化育をなす。水は万物の元、身体は月様の清水の固まりである。水は心なり、故に正直でなくてはならぬ。此の世治まるは月様の心、人間に取りては情け。又足納が正直、足納は治まる水の理、治める心。足納と云う理が明らか心の澄む理也。清水誠の第一也、足納の理が治まらぬ故八埃を生ず。
情けは水月、慈悲は日火なり温みなり、日様の暖かみ照らし下さって万物が育つ。火水一体なり此の和合によりて風生ず、水気と火気が合うて明らかとなる。
月日万物の親なり根本なり、火と水とが一の神風より外に神はなし。情けは陰、慈悲は陽。水気有って火の霊働き、火気有りて水の霊働く。温みが無くては万物は一日も此の世に活きる事できん。水には必ず温み和合下さって、一切万物に入込み下さるで生を保ち、同じく照光有って皆育つ。
火の燃ゆる日の照る光一切点ずる。此の陽徳が無くば世界は暗黒厳寒で何も出来ざる也。万物の生ずる悉く水気に温み御添い下さって、生ずる育つ粒毛草木も温みを入れて下さるで芽切る生え出る成長ず花咲き実る。
日様温み有りて衣食住万物が此の世に現れ、其の用をなし人間始め生物立ち働く、自由用が叶う。身の内の温み世界の暖みは悉く日様貸し下さる賜物。万物に御心入込み給う、是程慈悲のものはない。
道と云うと水は火という事。此の二つが満ちて居る故、道と云う身の内と云う此の身の内が道なり。道とは身体に習うて行わねばならぬ、身と云う鏡と云う八形と云うも、八たの鏡と云うも同じ事にて、人間身上は前世より今日迄の心の鏡として心通り身を現し貸し与え下さる心の形なり。故に身に現れる理が諭しなり、身の内の神、宇宙も同じ神の誠で立つ身上有って幸福円満に世界立ち生える道が誠。
神言 身上有って楽しみ身上有っての道である是れよう聞分けてくれ と仰せ下さる。
ばつと腹立ちたのを其の侭風に出さずに堪忍して、どん事でも分かる様/\に説いて聞かす。人の満足の行くように聞かす人に満足与える。善き方/\と優しく物の治まる様/\の風を吹かす言葉が堪忍の風、かしこねの尊の智恵なり。
剣は大食天尊、かしこねの尊、言葉、口弁舌、賢いという。人は心中道理の見分けかみ分けのよく出来る者即ち、切り分け故にかしこねの尊の裏は大食天尊(丑寅と未申)。見分け聞分けの神交際義理の神様、智恵は四季の理に取れば日様かしこねの尊、誠が現れ慈悲心気を長くして人に満足与える風が智恵。
しかして言葉は心は現れるもの故、物が惜しいや欲しいで欲が深いようでは、人の助かる人に満足与える真実の言葉が出ん。木の葉もねより水気入込み、温味が入りて芽が出る。芽は葉なり言葉も同一の理が現れるなり。誠は四季の理に分ければ冬夜月様大食天尊様。情けと思い切りの理、例えば人を助けるにも人様に志し心尽くすにも情けを施すにも思い切らねば出来ぬ如く、我が家我が身欲を思い切れぬようでは社会の為に働けぬが如し。
其の真実が誠が無くては出んなり。誠の心陽に現われ或いは人を助ける食物与えるとか世話をするとか、金銭物を施すとか実行して其の誠の現われたものを実と云う真実なり。心に誠有っても行なわざれば見えん行なうたものが即ち実。例えば、人間夫婦の間に子の生まれたのが実、柿の木は甘き柿の実を結ぶ渋柿は渋い味の実が現れる。甘き木の誠が現れて甘柿となる如し、木の実も実も同じ。
親神様の誠が宇宙万物に現れて、衣食住其の他総ての物を身に受け見聞して陽気に暮らす。皆親様の実を頂いて活きて居る人間也。是れが神様の真実誠。人間も同じ助けよと思う心は、誠、誠は無形現れて実、欲の無きものが誠。親が我子を思う我を忘れ欲を忘れ真心尽くして育てる慈悲此の心が、真実誠也。
堪忍と素直は同じ理となる素直は神の心、水の心。人間誠というは足納が第一。足納は此の世の大王とも足納大き木とも仰せられてある。心澄む心の掃除するには足納、足納は此の世の治まる理、水の心なり。
四季に理を分ければ誠は冬、智は夏、春は続ぎ秋は力立てるなれど八方の神様の御心が一つにまとまり下されたものが即ち誠、月日の御心なり。優しき心と云うは誠にて此の世は八方八柱の神。此の八柱神の心にかなう心に定めるが世界の式なり。此の心を優しいと云う也。
正直慈悲堪忍三つは人間暖み水気息一日も無くては立たぬと同じく是れより宝はない、堪忍は物のよく分かりた賢い人から堪忍をする寛仁大度慈悲心を以って敵を味方にする如き古今の例話もある如く、誠程尊きものはなく誠程人の感化するものはない、誠には刃も立たず矢も立たず水に溺れず火に焼けずという、 明治天皇様の御製の中に
鬼神も泣かするものは世の中の人のこころのまことなりけり。うつはにはしたがいながらいわおをもとほすみづのちからなりけり。あさみどりすみわたりたるおほぞらのひろきをおのがこころともがなと、有ります。
宇宙は悉く神の誠の現われ故本書中だん/\逑ぶる所は借り物の理を了解せんとするもの皆誠の一つに止まる故此の誠と云う理は何程にても話し尽くせぬものなり。
神言 誠という理の働きさえあれば天の親よりも実があるので実と云うは分かろうまい。火水風という此の恩理が分かれば一切の恩理が知れる。是れ知れば衣食住の三点は火水風の賜物という理が知れる。此の理が分かれば神の守護という理が知れる。此の理が治まれば神の誠という理が明らか知れるなれど、教えの理を取り違えるというは是迄の心の理が忘れられんから、目に見えたものに惜しみをかけて身上の大敵という事を知らず、欲しい惜しいの心の理が離れられんから、真実という理が治まらん。早く思案をしてくれ世上の難はどういう所から身に受けるは八つの埃は何と思うて諭している。
又神の守護という理が心に分かりた事なれば道のりは容易ならぬ重い理なれど、深い楽しみの理を与うるには日々めい/\の心の勤め方の理によって与うる理と与えられん理とあるから、取り違いの無きように勤めにゃならん。
我が身の助かると云うは、人の為なら我が身捨ててもと云う精神を以って人を助けにゃならん。人に手柄をして貰わにゃならん、人に喜んで貰わにゃならんと云う心で日心勤めて、人の心を助け、自分も喜び、日々勤むる理は値内も分からん容易ならん理であると仰せ。
又、御道は話一條で助け下さる。其の話は月日の真実。是れを取次ぐ者は月日の代理である。神様の御言葉は人間が考えたり作った事でないから、正直に取次がねばならん。我々人間が智恵高慢を交ぜて、我が身欲から我が身の用害や身引、例えは此の話をしては人か如何に感ずるから気に入らぬからと云う風にて取次ぐにひかえるとか、上手口とか遠慮気兼ねして居ては、人が助からぬ故、神に対して高慢となる。
神の御言葉は正直に取次ぐ神に素直になくては誠とは云えぬ我が身をだくは欲。
又人間の俗に云う硬いと云う心は一時強いようなれども、欲というものがために決断力が乏しく心が変わる崩れる。硬いものがやわらかい中途で挫ける。真実定めた心は立ち抜く、挫けぬ変わらん迷わんくるわんと云うのが誠、真実の定まった心なり、日本魂とも云う。たとえば弾丸は出かけは強いが先に行くと布に包まれる矢は出かけは弱い手の効いた者はつかむという、先の行く程激しく強くなると云うたとえの如し。
神言 自由用と云う理は何所に有ると思うなよ、只めん/\精神一つの理に有る日々と云う常と云う日々常に誠一つという、誠の心と云えは一寸には弱いように皆思うなれど誠より堅き長きものはない誠一つが天の理、又人を助ける心は真の誠と仰せ下さる。