耳 之 部

耳は聞分ける道具。此の理から理は出る。善悪を聞分ける耳は一切人の云う事表面は聞いて居るようで心に用いんと云う理が耳を諭すの台なり。それから細々の理になる。聞いて埃を作る不足、心を腐らす痛める同じく、人に聞かして人を害する。又我れの意見を立て抜く大食天様の御意見欲から人を憎む心の埃。

 

内耳炎 聞くべき事をきかん用いざる埃。(中耳炎とも云い鼓膜炎等皆同じ埃が台)

 

耳どお/\ 云うて聞こえぬは己に心がないと人の云う事やかましい/\と思う。己のすきな事は人の悪口でも精に入れて聞く、誠のよき事でもやかましいと聞分けせん。

 

耳の遠い つんぼは前世の重き因縁だが人の云う事は聞かぬ一寸も用いぬ性が台。耳の遠いのも此の理の軽きものと悟るべし。我れの欲深き為、人の云う事聞き入れ、聞分けせず。

 例えば親子兄弟近親親戚にても我が欲の為にかまわぬ。近き所を遠くする聞こえぬと云う理もある也。

  例えば電信電話機破損し小舟に帆の破れたる如く運転の通行通用が利かぬ如し。言葉の風を受けて世を渡る道具なり。耳に入らんは実の入らんも同じ理。実入りは秋高慢が強い故、聞けん、聞分け出来ざれば実が乗らん理なり。

  我の思う通りよりせぬ人が善い事為になる事云うても聞分けぬ。我れの勝手の悪い事は聞かん、勝手のよい事は聞く皆身欲で人に憎まれる如し目上の云う事でも口で返事して心に不足は思う又聞き捨てる人を憎む人に腹立てさす。

 

耳だれ 聞き流し、人を軽蔑人をあほうにする故に、身が乱れると云う理も有る。人に云われて短気腹立強く何事も聞いて心を濁す。

○欲にて人の云う事聞き入れず聞分けず人の心を痛め不足さす。心濁さす小児なれば親が胎内に居る内、悪しき事聞いて気を腐らすなど同じ事。

○見欲色欲例えば人の妻、人の夫にのろける如き色情の理も有る。

○人の為に成らぬ事、みだらな事悪事を聞かして人を迷わし、嫌う事云うて心をいずます。

  

耳の鳴る 人の云う事聞かぬ、人の話中にガン/\鐘のなるような風に聞いて居る聞分けの無き理。我の思う事ばかりどん/\云うてしまい聞分け出来ぬ理又がん/\怒った理。 

○我欲にて心あつかまし人を驚かす。

 

耳の縁の痛み 之れも人の云う事聞分け出来ぬ。不足に思う聞いて心を痛める気を腐らす等人の害になる事を云う。人を憎む憎まれる或いは人のそしり話人の悪しき事例えば男女間のわるい事聞きたがる如く又云うてそしる如き理有り。