松次郎なら参りと言ふてきた
神がさいはい行けと言ふたで
参ろふと思ふて来るのもはかり事
神のおもわくある故の事
日/\に神の心うけとりて
すへではめづらし助けするなり
此助けいつ頃と言ふならば
小人せへじん次第なるぞや
此の小人十三才になりたなら
親子諸共引き寄せるなり
引き寄せてそのさきなるはだん/\と
いつもよふきでゆさん遊びを
かないぢういんねんつけてあるけれど
なにもゆわねば知らん事なり
いんねんをつけたといふてあんじなよ
今から来いといふでないぞや
日/\に家業に心つくするは
これが第一神ののぞみや
梶本惣次郎氏は、温厚な方であった。近隣からは仏の惣次郎といわれる程であった。教祖は実の子春子さんとの縁談を持ちかけられた時、見合いもなしにその場ですぐに「惣次郎さんの心を見込んでやろう」と仰せになった。
教祖は惣次郎さんに家族共々おやしきに入り込むことを促さしていたが、惣次郎さんは当時の中山家の家計の苦しかった様子を見られ、人間心から二の足を踏んでおられた。
又、多面惣次郎さんは当時鍛冶職を営んでおられたが、おじばに御用のあるときは、自身を始め、その子供衆にしても常におやしきにかかさず御用を勤められた。
このおふでさきはその子宗太郎が十三歳になるの仕切っておじばに伏せこむことを教祖が切望していたのである。