おもたりの命(面足尊)


 南火火霊主 

 

  日様は御心現われ下さる真実は慈悲。世界万物の親様故暖かき親心、子を育てたき養いたき御心、温みを与えて万物を育て下さる養育一條の神様太陽の如く御心にて大慈悲也。慈悲と云う火にて明るき暖かき御守護気の働きは陽也気は火なり血なり心は水陰。

 

 身の内にては温みの御守護。三千六百筋の血の働きを始め、体内一切の血の働き体温を計り下さる。つく息、ひく息は月日の賜物也。世界も同じく温み一切、火気照光一切、明るき光は皆日様也。温みは水に添い、千変万化霊妙不可思議の妙用ありて、万物の徳を出す母、日は万物の親也。

 

  月様水気に温み和合下さって万物各々生命を有して生成化育をなす。此の陰陽の和合によりて風即ち空気生じ、水火風三つにより自由用自在の御働き下さる。宇宙間は此の水気温みの満ちきつたるでみちと云う、身の内と云う。月日両神が親神故、万物に入込み下さるにより道具神様の御働き出来る。水霊火霊は万物の源有形無形一切に入込みあり、火の徳は説き尽せず、夜九ツ昼九ツ月日二九肉水気温みの固まり身体も肉が元なり。二苦月日二神御苦労の理世界では国と云う陸地身の内では肉と云う。

 

  情けと慈悲此の二つが真の事。誠さえ有れば結構に神が通させ下さる、誠の無いものは通れぬ。自分が苦労した人程人を育てる続ぐ慈悲心が強い。(例えば女なれば夫を大切にしよう、親を大切にしようという真心は誠なれば天の守護厚きによりたとえ苦悶の境遇に在りても遂には勝ってくる。)

 

 誠一つより強き長きものはないと仰せ下さる。神言に何がたよりかよう考えて見よ、水気温みの二つの理がたより。此の水気温みから息が出る。此のつく息(月)ひく息(日)が退いたら如何な強敵たりとも、仕方あるまいと仰せ下さる通り、如何な強力智者といっても水気温みが狂うたら一寸に力は出ん。智恵も力も神の貸し物、水気温みの二つさえ調子が狂わざれば、此の宇宙間に病も障りも何もない。力も智恵も水気、温みなり。水は横、火は縦、目口横、耳鼻は縦、手は横、足は縦、両肩は横、背骨は縦、人体は十の字、昼は立ち、夜は横、皆十の世界なり。

 

  血の循環が心の作用にてある。一部に滞り変色して病み痛みの元となる。例えば手足を使えば手足の血液がよる。腹を立てれば顔が赤くなるが如く、身の内血が固まる、悪血が出来る。気が勇めば血が勇むというて、巡りがよくなる。悪血は神が貸し下さるではない、心にて拵える誠の無い、悪心不浄なる心から出来る。例えば頭は天、冬、冷やか、是れが不順して胴体下部の血液が逆上して頭に漲り、脳痛む如し。

 又女は臺、臺は平ら六っくになくては出来ん。乗り物一切は女の理、汽車汽船軍艦舟車の類膳机等盤とか臺一切は日様の理にて上に乗るものが天となる。

 

  水や火を人間が拵える事は出来ぬ如く、人間の熱心な者に神が入込み心に乗って働き下さるで天の秘密を漏らして智恵を貸して下さる故、段々重宝なる事を発明して、世の中が進歩する。皆人間は天理天然のものを扱わして貰うものなり。人間の智恵、人間の働きが神の自由用働き也。人間は神の器、神の一之道具なり、手足なり神の現われなり、目に見えぬ心より人間のものはなし。

 

 米は女、麦は男の理。鳥は日様の理、温暖になくては産まれぬ。魚は月様の理、寒い時季に卵生む。皆穀物野菜を始め、魚貝動植物鉱物等宇宙間一切の事物、其の一物に付いて理の無きものはなし。元々無き世界より月日御造化せられたるものなれば皆一々訳柄あり。

 鳥類の本家は鶏、魚類の本家はふな、獣類の本家はいぬ、木類の本家は松、木の実の本家は椿、是れより上等と下等と有り。女に龍宮あり世界にも龍宮あり山は男、海は女、川は続ぎ。

 

 天と地、月日陰陽を象りて夫婦を拵え給う、之れ人間万物の根本にして男性は水、女性は火、水は下に向かい火は上に向かう。天より降るものは地は受けねばならぬ如く、火は水に勝つ事出来ぬ、家屋に取れば天井は月様の理にて主人、下の座敷は日様の理にて妻、周囲の物は家内子供の理、床の掛物は主人、額は妻の理、布団でも上に着るは天敷き布団は地、皆人間は天地の内に寝る、ねいる、根に入る寝床という国床という。

 

 障子はかしこね様の理、昼戸はたいしょくてん様の理故、夜は此の神が守って下さるから埃さえなくば賊も這入れぬ。前項に月様の水の御働きを述べたる如く、水気には必ず火気が添うて水の働き故、水火同体故火に関する事記述を略す。

 又火気も日の気も同一おもたりの尊様の気なり。水気に火気が添い給うて空気有り風を生ず。此の火気は天地に満ち、いわゆる気体にして体なく、手にて握る事も出来ぬものなれど、其の働き偉大なり。水の体は火の気が添って現われ、火の体は水の気合して現われる陰陽夫婦電気と云うも同じ。此の水霊火霊にて万物を現わし之れによりて万物生育をなし又身命を保つ。殊に火の霊は物の養育の大徳有りて暖かみにて万粒気草木を地上に出す。

 

 衣食住ことごとく火生風の賜物也、火無くしては世界は片時も立ち行かぬ、日光及び温熱が無くては世は暗黒寒冷にて生物の生命有らざるなり。故に、万の物体は腐敗すれば水土に帰り又は火にかければ火と成って無形に帰る。恰も木草、薪、石炭、石油等が火となりて人間が使用すると同じ。例えば昼は御光りを受けて目が見え立ち働く事が出来、夜となれが火を点じ電灯、ガズ、ランプなど皆日様の働きを以って夜を照らす。

 

  飲食物の拵え製造し日夜生活に関する百般の用途ことごとく火の力を受けざるものなく、殊に寒冷の時季には火を以って暖めざれば一日も暮らせぬが如し。水の徳水の働きと火の徳火の働きと同じく皆此の世の万物は水と火に懸ければ種々と変化を成すもの也。有形物も無形になる無形の物も有形と現れる曲りたものも直となる如く。金属の如き堅き物も火に掛れば柔らかと成り溶解する故、百般の用途を自由に満たす事を得る。

 

 或いは汽車汽船軍艦鉄橋建築等。機械器具より日常使用する物品は皆火の力を以って之れを製造せざるものは殆ど稀なり。もとより之れを使用する人間が温き水気の借り物なり。日様に御心人間に取っては慈悲深いと云う親。切親に切なる心、育てる心、恵むという我が身を忘れての親心、慈悲という子を愛するという心、大慈大悲と言う如く皆月日親様の心を云うなり。