白山比咩神社縁起(加賀一ノ宮)

 

奈良時代、泰澄が手取川の安久濤の淵(あくどのふち)で祈っていると、白馬に乗った白山比咩大神(シラヤマヒメ)が現れ、

 

「私は白山に住む女神である。私の真の姿を見たいのならば、白山の頂上まで来なさい」と言われた。泰澄は今まで誰もが行ったことのなかった白山に登ると、翠ヶ池(みどりがいけ)の畔から九頭龍が現れた。これを見た泰澄は「このような恐ろしい姿の龍が白山の女神の真の姿ではありますまい。仮の姿でありましょう、どうか真の姿を お見せください」と念じた。

すると、九頭龍は十一面観音(じゅういちめんかんのん)に姿を変え、「これぞ、まさしく白山の女神の真の姿に違いない。」と拝んだ。