鼻 之 部

鼻は考える道具一身の舵取り(かぎえると云う事かぎ分ける)一身の方向を考え定めて世を渡る考えるが悪くば身を害し身を亡ぼすかじとりが間違えば舟でも山に乗る。

 

鼻血 負惜しみ、負けても負けんという心惜しみが出るなり。負惜しみして却って我が価値を落とし笑われる。 

○気の強い我の強い負けともない故我慢からけんか口論するいじわるいのも。

○物事に惜しみ何によらず出すのに惜しいと心配する。 

○親又人の恩と云う事を忘れ気短く目上の云う事を用いぬ。

○世話が過ぎて人の受ける事迄思い過ぎ。高振る心逆上する。

○腹立てて親夫婦兄弟親類の血筋を切る心癇癪。

○鼻血甚だしく死に至るは此の埃積もりし理にて又金銭を粗末にし人の身代をつぶした理も有る

 

鼻風 我れの目上又は下のあらや穴が見えてそれに不足/\の心ある理。又考えなに物を云う腹立ち隔て(鼻かたる)と云うも同じ。

 

鼻つまる は心の通じのわるい鼻であしろう理又考えのわるいつまる。

○高慢で思いのつまる考えていきつまる。 

○物事打ち明けせぬ。

○なすべき事をせず我が高慢で届かぬ行い通らぬという理。

 

鼻の中の出来物 (鼻茸等)気高い考えなしに物を云い事をなし人と続ぎを切る埃うずく出来物は腹立ち例えば陰で人のわる口仲言を云いてなぶるいたずらの心うそを云う如き埃。

○内で話をせんならん事を打ち明けせぬ。夫なれば妻が不義をすりやせぬかと考えて腹立ちりん気、妻なれば夫が女遊びすりやせぬかと気をまわしてりんき考える。嗅ぎえぬ所を嗅ぐ花嫁花婿と云う夫婦の思い過ぎ全て色情に付きての埃有り。

○人の事を探り落ちとをあげる。

恨みの理。(慢性鼻かたる臭鼻、悪臭鼻漏)(鼻腔に潰瘍)(等略同じ)

 

人中 人中は全て人と人との続ぎを切る理。例えば物事中を取りて治めにゃならん仲裁でも止めるが如く。

 

鼻の病いは考えの善し悪しきと考えの間違いより一身を誤り人を害する。一寸してやった事でも全て鼻にかけ過ぎて人に不足さす理。高き心で嗅ぎ分けせず、善悪の筋道を立てぬ、勝手の取り払い十分嗅ぎ分けの出来ぬ内に差し出るとか、考えなしに物を云うとか、鼻汁の出る事多きは心さわがしくこりすぎ。下に通じる水気上に上る逆上せ鼻汁は心の濁り、水考えの善き身の舵取りの善い者は鼻は落ちん。