八埃の裏表(一)

 欲いらか惜しい。腹立ちは恨みより生ず恨みでこらえておいたら国狹槌尊の御意見なれど恨みがこらえ切れぬゆえ腹立ちとなる、腹立ちは恨みが元我が身を恨みて居れば腹立ちにならぬ、又腹立ちから恨みとなる、可愛と憎みが裏表我が身が可愛から人が憎い人が憎いから我が身が可愛。欲と高慢、欲から高慢、高慢がしたい故欲をする。

 

辛、甘、苦、酸、四つが食物味の元。月様の辛味に苦味が合うて塩となる、にがりが出る、是が月様御苦心の理、味の王、四の王、甘味は日様の慈愛の現れ、味は初め苦く酸うくなれば終わり春苦いものが酸うくなる秋の理。

 

食物の味は神様の真実心味わいなり。神様の御心味わいと人間心の味わいとの別が有る。月様は情け心人間水心誠治まる足納は誠正直水心にて天の理が治まらねば不足不足から腹立ち高慢、憎み、惜しみ、可愛となり遂に欲で固まってしまう悪因縁の暗闇に入る(逆廻り埃)

 

足納の理が納まれば欲が切れる足納に依って前世の悪因縁が切れる心に神の明かりが入る恰も丑寅刻を切れて卯刻に至れば世界が明るくなる如く心鮮やかに正邪理非判然とする。欲分け隔てなく人を続ぐ続がる慈悲人を育てる、満足与える高慢が無くなる故、我が身に徳がつく人を立てる大切にする心になりて我が身立つ。

 

欲を切るは思い切り諦め聞分けと云うも同じ理聞分けよきは思い切り(物の区別区域をつける)よき理心定めるも同じ誠無く心小さく即ち欲深くして思い切り心捌きの出来ぬ時は心発散せず精神清浄綺麗に成す事能はず。思い切り無き心の定まらぬ小さき心が欲にて穢ないと云う。

 

十二支悪歌逆廻り

 ねにいるものはいんでとられてさつてひつねんうまれたそのみがたたんうんをとられてうしのうてしもう

 

同  善歌順廻り

 ねをうしのうてもとられんうんをひらいてたつてゆくそのみがうまれてくるほどにひつねんせざるなとりもいんているほどに

又欲しいと云うも我が身へ斯うして欲しいどうして欲しいと思うて欲しいと思うのが人間心只どうしてこうして欲しいは自分の他の者と者との勤め合いをさして共に楽しましたいめん/\には何を取るのやない只見て楽しむと云うは親様の御心人間でも子供にどうして欲しいと云うは真の親の理であろうまい。

 

只どうしてやったらと云うやりたいばかりに親の心を知るのを待って居る何処へたよらいでも大丈夫な親に力あるそれを知らしたいと云うは立てて欲しいや崇めて欲しいからやない頼りを認めさして心安心さいたい故であるそこで心に理を受けて自由用さして下さる何思うても親様の心一つの理という同じ事思うと云うのやない同じ理を思うと云うのやそうして時々浮んで来る天から写す又時々知らず/\の様に言葉出る皆天より話しして居る天より口を借りて云うのや。

 

皆誰でも心澄ませばそれ相等に理は借れる又気も借れる智も借れる、是れどんな者でも何でも自由用という、借り物の身と我の物と分けて見よ神様の力、理智気、と分けて見よそれは一つ只欲しい惜しい可愛い憎い恨み腹立ち欲高慢是れより外は我で無し是思うだけより働き無く力無し、之を現し下さるは皆神也