瓜と茄子の歌

 人間一名一人の心を改め誠となりて、互いに心を合わして成しうる事は成り何事も成就す。又心を合わさずして成したる事は成就せず。たとえ成りても後破れ易くして成したる事、仇となる事多し。故に万事成就は真より成るなり。是れ真実といゝて、誠の実なり、根元の証拠なり。茄子と瓜、なすとは事成就する理にて、事を成す、真実の成ると云う事。

 又うりは愁いと云いて、花多く咲きても、実成る事少なく、あぎ花多し故に昔よりたかいやまから谷底みれば、うりやなすびのはなざかり、これわいどん/\どあれわいどん/\ど。此の歌の意味は、月日様が永の年限、人間のする事成す事を高い所より御眺め下された、其の眺め下された中に人間思い/\にて心に巧み身に行う業にて宝を求めよ、財を殖やそうとして真実の花を咲かす者もあれば、又愁いを招く花咲かし、嘘偽りにて財を殖やそ宝を得ようと思うて種々行う者の盛りと云う歌なり。

  茄子は茎が紫、葉も紫、花も紫、成る実も紫なり。紫は色の王にて青と赤との合いたる色なり。青赤は月日の真なり、故に千に一つもあざ花なく、始めより終わり迄実が成りて、誠の理なり。

  瓜は葉青く、つる青く、成る実も青くなれども肝心の咲く花が黄なり。故に瓜はあだ花多く、成る実は十に五つ三つに一つ位のものなり。

  人間行う業も心を合わさずしたる事は、十度の事を行いても都合よくして、五度位なり。跡五度愁いを招きて悲しみの種となるなり。

   故によく/\心を改め、我より人に心を合わし睦まじくし、事を行い、真の花を咲かし誠の実成らすべし、謀反の心にて咲かしたる花はいかに栄える共、長く保たず、折角子孫に譲りても、却って仇となるなり。

 

たとえ我が身一代栄華に暮らすとも、子孫の難儀に及ぶ事鏡に懸けて見る如く明らかなり。又一つの意味は此の度は谷底にては段々と多く用木が見えて有るぞや、と仰せられ谷底に用木有ると云う事。歌は神が時世を知らず此の近年に至りてどじょうすくいが流行する此の理は、愈々神様旬刻限が至りて神因縁の深き魂をすくい集めらるゝ理である(前世の因縁寄せて守護する)但し、此の意味は最も重要なる事なれど文書に書き現わす事出来ん。