腫物(出来もの)之部

出来物一切に理は恨みそねみの理を心に包み居る故に皮が切れて表に現れるなり続ぎを切って恨みを含んで居る埃が現れる。

○恨み一切が臺にて又恩のきだおれ何ぼ有っても足らん/\の理も来たる。心で十分切れても口に出さず包むから出来物になって出る表で口歯にも出し切れたらばきずとか怪我にて切れて現われる。是れが大体の元なり。多く他人には係らん色情なれば他人にも係るすでに

 

ひぜん 浴場のために自慢我慢高慢三万八百ウソ八百と云う数三万八百と云う理。

○得手勝手の強き心。

○心の汚いあつかましい欲金銭の続ぎを切る日々我が身引き勝手にかきこむ理が人にきらわれる心にて続ぐべきをつながず出すべき所に出さず冷えたる理で有る温みを入れて治めきれいな心なれば人に続がるから続がる色情に付きての理も有る。

○人に施す心なく貰う事ばかり好む心乞食心金銭かきたくる我が田に水引く如き心。

 

根太 (節瘍血瘍など云うも同じ)身惜しみ骨惜しみから人に云われて不足するのと行うて不足するのと。

○のぶといと云う人のものを何とも思わずはまゝにする又ぬすむ理もある。

○例えば我れすべき事を口先にて人を使い或いは叱りつけ腹立てさしたるか人に使われる者なれば何々せよとさいそくを受け不足腹立ちながら働く如し。

○人より恨まれる事情もあり。

 

田虫 金なき人なれば金を使う事に心配色情にもかゝる理は続ぎ一条にかゝる。おおむね道ならん色情行うて出る。例えば一代連れ添うつもりでない女を添う/\と言うて二人もあってだます。りんき恨みの理。

○ぜに田虫は例えば金を貸して返すか/\案じる金銭の続ぎをよう思い切らぬ。

○すべて色情金銭に付き不足するか人にさすか。

○或いは男をあざむき女をあざむき金を取りて人に恨みを受ける如く商売上でも同じ事値切り倒しあざむきたゞ取りにするが如きの心又少しの物でも掛にして置く如く。 

○心を腐らした理。(但し出る所にては食物の事も有り) 

○体中大田虫は例えば兄弟姉妹又近親の者に分け与うべきもの(金銭物品)を与えぬ等。又離縁したる妻の物を身に付けて有る如きの理から出る。

○田虫はすべて金銭縁談の裏表より出る。 

○首に出来るは親に腹立てさしたる埃手に出るは取り込み握りたい埃。足に出るは我が身腹立ち但し之れは一例なり。

 

がんがさ 欲深く何事も人を恨み又人と続ぎを切る人に恨まれる汚れたる心にて全て人に続がらぬ性質あり。

○月経中に宿り血筋の汚れを受ける者も有り。ガンガサとは冬季彼岸から彼岸迄ツバメガサは夏の季の謂いなり前世色情金銭等。

 

口の側の出来物 己の汚い事思わず人の事言う高慢目上又は人の悪しき事を種にして言う埃。或いは男なれば妻に不足有り言わず口に含み当て事を云う如き。

 

しらくも (白癬ハタケトとも言う)あつかましき汚き心妬み恨みで気を腐らしたる縁談金銭の事情高慢強く人を不足親不孝等。

 

顔に出る田虫 顔も場所と軽重に依り一定ならざるも概して色情に付きて埃を拵え思い切れぬ心使いが現われる例えば女であれば夫に付いて悋気で気を過ごし心に角を生やし悋気の気を燃やす埃多し。表にて出る田虫は多く此の理である母親よりの譲りの性質なり。

○縁談の無理切りの理もあり。或いは男女共に色情にて近づきて金銭を借り貰いにせし如き埃有りて人をだまして金を借り返さぬ汚い心故人が不足して心を腐らしよう思い切らぬ如きもあり。

 

眉毛に出来物 は色情縁談の事情にして或いは女なれば間男男なれば人の妻を盗む如き表に現わるる理もあり。夫婦間の埃が現われる。

 

頭の中の出来物 親の真実を真実とせず無にする埃にて例えばくどい/\分かって居る知って居ると云う風にして親目上の云う事用いず又親もくどうに言い過ぎる埃なり。又親夫の目を盗み金銭物品をかくし取り無益に費やす如き理も有り。又我れの悪しき事をして人に知らせまいと人にかぶせる埃あり。

○全て上を恨め不足腹立つ高慢我慢。

 

(いぼ) 前世心汚き欲の理にして日々我れのする事を恩に着せて気高くした事の威を振る。

○人に憎まれ分け隔て強き心人の言う事を粕にする。

○我れが我で常々出しや張る心有り。

○縁談金銭に付き思い切れざる埃もあり。

 

肩に出来物 は第一親方に対するの不足にして或いは人の世話をしていつ/\迄も恩にきせ不足言う如き心もあり。

 

全身ぼろ/\の出来て痒い は日々の事に始末仕過ぎて出すべき事にも出し惜しみ続ぎの事に綺麗にない心。金銭縁談の不足、人と切れる心。

○又小児なれば夫婦の仲切れる心使い不足擦れ合い腹立つ。

○心の欲深く思い切り悪しき性にて人を恨み又人に恨まれる埃あり。

○欲にして日々仕事にあせる不足例えば此の忙しきにあの人は何をして居るとか我ればかり働く様に思い長い日でも短く思うて不足にする如くで内々擦れ/\の理。

我が体を苦にする案じの埃あり。

○縁談一条又金銭一条思う様に自由用ならんと不足心使いの理。

 

顔に草の出来る 心のきたなき理にして恩人不足恩を腐らす理。恩人を悪しく云いくさし。例えば我れの悪しき事を人に知らせまいと人にきせる如き心にて、夫婦親子の仲でも罪のぬり付け合い顔の汚し合いと云う様な理にて御道の上でも人が聞き分らんとか届かん様に云って人にかぶせる如く、全て我が顔をよくしたい為に悪しい事は人にかぶせる口で甘い事を云うて云い訳をする如く、人の顔を汚す我れの内心のきたなき心を隠したる理が表面に現われるが如し。縁談金銭に係る理もあり。

 

へその回りに出来物 にて汁の出るは例えば食物に付き親と意見合わずしゃべり合う如く云うて人に憎まれる案じ不足。

 

紀州 (顔頬に種物にて人の目下に在る身分の者に多く出来る)是れは例えば一家の中に何かの理由で敵に思う程の人又は嫌いなる人ありなれども我が身に何かの望み有る為に辛抱する心。例えば内心には恨み腹立ち有りて不足/\につかえながら顔や口に出さずして辛抱し居る心が現れる如し。

 

深瘡 是れは体に何処となく出来て産み付け瘡の如し。例えば道ならぬ人の取り持ちして甘く取り込みたるか又金銭の冥加を知らず我が道楽に使い果たし親兄弟を泣かしたる埃。

 

欠失ぼう 近親親戚又は人の金を我が物にして使い気ままに使い恩を知らね埃。又心に十分誓いたる事あれども或いは堅き定約を後に気随気ままにて崩したる如き埃あり。

 

茎癌 (一之道具の種物)是れは気随気ままにて人の云う事如何に為になる事でも少しも用いずやり抜き疳癪疳敵にして身を持ち崩し又身下身上をあなどり使うが如き埃。

 

胴欠 親主人の大切なる品或いは金銭を我が気随に使い果たし返済せずに尻をくれた埃。(ケツを向ける事)

 

七とこばれ 女をだまし財産を使い果たし我れが思惑にしたる理又女に此の出来物生ずれば男をだまし我が身は派手に暮らす為に財産を丸取りの工夫したるか一方の男より金をだまし取り又好きな男に入れたる埃。