諭し之例

  当年二十五歳男子、腹膜、咽喉胃癪、頷廻、風熱等の悩み。

 

 一家の内の因縁を諭すには病人は勿論母親が亭主のする事成す事何かに不足にして足納は少しもなく我が内の事には足らん/\の不足の種がある母親に有るをよく諭すべし故に其の通り返しの懺悔をすべし。本人は気至って短く人を不足内々不足にして我が為になる慈悲な事を云われても充分無にして他人にはよう見えても心安き者にはあつかましい事を云うて閉口さして気まま我がままあつかましき欲なり。

 もっとも十八九歳の頃目上に云われたる事ありて如何にも忌々しい悔しいと残念に思い何時か此の鬱憤を晴らしてやろうと云う心底に熱あり是れが種にして目上の人や親に意見云わして無念に思うたる種を懺悔すべし。腹の張りは先の要害身構こいの埃身構いとは人の云う事を素直に用いず云われまい負けまい出しともなくへらしともなく末は楽に通りたい取り込み一条の心なり。

 又シコリが上に昇るは短気気ままにして見る事聞く事を不足にして腹を立て我があしき事を云われまい為に親を云い込め困らかして登りたる理なりそして我が身の困りとなり是れでは助からんか知らんと案じ心あるなり。此の悩み好き嫌い多し食道の悩みは第一親の恩を知らず幼少には乳で育ちそれより食物を与えられて身体成長したる恩を忘れて日々我れがおれがで威張り中々せすいこすい欲の深い勘考をして抜け目のない理詰めを云うて親又人を困らかし智恵を使い人のする事を止めて我が栄耀栄華で通りたき欲の強き現われにて欲深き故に万事に移り変わりが早く定めた心崩れ易し定めた通り是れ迄の懺悔すべし。

 咽喉の息の通る所の悩みはあゝ云えばこう/\云えばあゝと心でコヂリ真に聞かん用いんと云う心より恩を無にして人が我が身に対して骨折りの恩を忘れ何も構わん薄情の現われ。脹れの廻るは強く疑い心の深い理にして身引きあつかましき欲なり。塩がしむは塩はたいしょくてんの尊の御守護にて欲にて思い切り悪しく人に味わいなく又内々の者には味の善き言葉なく只我が身の立つ事我が理の通したき事はかりに腹立ち憎みの言葉にて人に腹立てさして負け往生をさしてある理の現われなり。

 

当年五十才男脳貧血病にて眼病の諭し。

 

   此の理は本人の親が身代わりのやり方はとりやり方にて親のやり方を不足不幸と思い何でも親より優った身代にして末を楽に通ろうと思う為に万事に欲深くして働き何でも身代を殖やそうと思うて他の身代のよい所を眺めてあの様にどうぞしてと思い込んで登り切りたる埃。

 此の人は母親には余程不孝である。故に此の人の性質はこすいせすい欲の深い出し汚い持ち前で有る又息子や嫁のする事は愚かなまどろしくて不足/\である故此の辺の心を改良し足納を定め懺悔すべし余程しっかり懺悔をせざれば向う三年中には盲眼となるのは天命の至る所なり。

 

 当年五十二才女盲目の諭し。

 

 此の人の前世に行いたる心を諭すには至って気随気ままにて夫を嫌うて気ままの道を通り亭主をあるが無しにし気まま我がままにて登りたる故に女の道たる所は少しも守らずして夫には不貞女親には不孝の性質あるから現世にて夫に別れるか又不都合なる夫に係りて身の不自由となる。

 右の目の目がさにて遂に一眼潰したるは目瘡と云うは女たる道を通らずして心が充分横着にして夫を有るが無しにして気随気ままの道を通りたる理の現われ夫と定まらん先なれば色情の道にて親不孝と云う理にして又人の目を十分掠めたる埃なり。又左の目の悩みは性質気ままの欲深き故に真に亭主とは心が合わず亭主を馬鹿にして我が身の先の用害をなし我れが家財迄も自由になさんと巧みたる埃有るなり。

 

 全て、盲目となるのは前世に色情欲情に付いて何を見ても足納出来ず、欲しい惜しいで人の目を掠め天の目を掠め暗がりを好んだ理で十分悪事を働き天理を盲目にしたる罪にして目が貸して貰えぬ。或いは人の目暗まし物を盗み詐欺強盗等。或いは色情にて人の妻や夫に目を付けて不正の獣欲を尽くし人の妻で有ろうが夫で有ろうが人の道を破壊人の難儀も顧みず目有りても見分けをせず女なれば人の夫と姦通し或いは男のさげくらべをなし男を捨てると。

 男なれば同じく人の妻を盗み取るとか心得違いの道より大罪を作り又子を水にし暗闇に落とす等皆気随気ままにして強欲を尽くす又親不孝は勿論不貞女人に情けも慈悲もなく天の理として月日が目に宿る事が出来んのである。

 

 当年三十一才男幼少の時より寝小便が出て折々取り外す諭し

 

 此の男子の母の胎内に居る時又前々に色情に心かわし道ならぬ色情を隠し/\て行い親夫に隠し/\て行うたる中に妊娠したる因縁の男子にて当人も若年の時より身持ち道楽にして不正なる色情を好み又夫婦結婚の堅き定約をなしたる者を勝手に崩したる理も有り親の言い情を外して用いず万事気ままなる行為にて時々心を変じて心に定まりなくしまりなくなる理の現れにて是れを懺悔するには親の性質より我が身の身持ち道楽して一生気ままに通ろうとせる心の根より親の物を搾り取り人の物を搾り取りたる理を思い出し真実より改良すべし。

 

 此の身の障りはいわゆる牛馬に等しき故に一家内中治まらずして万事思い立つ事が段々外れて無駄なる事になり費やして埃となる故によく/\立て替えが専一なり。

 

当年五十一才リウマチスの諭し。

 

 此の人は親の云う事を用いず聞かず夫には口先で立てゝ居るだけにて心から立てず心合わず若き時二十三四歳の頃に蒔きたる気随気ままの色情の種があり其の好きの道を通りて男を恨み又人より恨まれて居る。其の思い立ちたる時親の云う事も又伯父伯母恩有る人の云う事も聞かずして行いたる理の現われにて性質が強情にて我慢高慢で万事我れの云う事はよい様に思い我れの理を立て親を困らせ亭主を困らせて居る身引きの引きしめ我が思い通りやり通そうとする心の埃なり口先が上手がかかあ天下であゝと云えばこうと云う中々人をこぢりたい性である故に右の悩みとなりたるものなり。

 

当年三十七才女十二指腸の悩み。

 

 此の理は儲けたいへらしともない其の心充分使い何でも金銭を儲けて身代を拵えようと思うて我が身我が家へ取り込む算段多く其の事に充分苦風苦心をこめたる理にして其の心なる故に金銭の入る度金銭を出す事の出来たる時には必ず心を痛め/\して出したる埃積もりたる故なり。

 

 又其の様なる心を使うも前世より天恩人の恩を忘れて恩に尽きて居る故貧しく通らねばならぬ尚貧しくなれば目上即ち親又は女なれば亭主の身代のやり方がかいしょが無いように思い/\て日々不足/\にせしものである。故に前世よりの因縁をよく思案して改良すべし。神の恩又は目上に対しての恩をすっかり忘れてしまい人には慈悲の心なく其の理に迫りて自然に身体が青く土色となるなり。

 

当年五十一歳の男幼七八歳の頃より眼光薄く四十二三歳の頃より次第に見えぬ様になりたる悩み諭し。

 

此の理は実父が恩人には不忠親に不孝にして主人や恩人の物を甘く他人に知れぬ様に引き込みたるの理で又親の物は気随気ままに果たし又人の女房を盗み姦通して隠し/\て甘く包みたる埃が種で有る。

 性質は親にも至って水くさい親の恩知らずで又主人や恩人にも至って水くさい恩知らず恩を返す心の無き仇で返す事ばかりである故右の原因より本人に現われたるなり。

 それとても我が身丹誠尽くして右の通り返しは神様の大恩を知りもっとも親を恨むる心を改良して神の指図を疑念せぬ様に真心すれば利益あるべし。

 

 当年二十八歳女十四五歳の頃より何となく眼光薄くなりたる悩み諭し

 

此の理は両親がする事成す事が外れて自然財産を無くしてよわった/\と心に悲観して心配案じて心をつかれさし物の減る度毎には十分惜しい事や/\と思って惜しみ/\したる埃にて且つ出す事よりどうかして甘く取り込みたいと云う苦風をさして万事一文でも出さぬよう取り込む算段の強き埃。

 

当年四十五歳女子宮病より子宮癌となり腹へ差し込むは子宮癌のわざで子宮疝の如く又腰のあたりへ筋の痛みは脊髄ろうの始めなり此の病の身上諭し。

 

 今世に親に早年に死に別れしは前生にて気まま放蕩して親の意見を用いず親を見捨てゝ気ままをせし因縁で今世にて親に早く死に別れたるのであり又始め子宮病は気至って短く人に云われると腹立ちもっとも我れの身為になる事を云われても我れの気に好かねば万事に気短くして非常に腹を立てると云うが持ち前である。

 

 又夫に不貞とはかくし男を拵え其の隠し男大切にして夫に満足させぬのである。又其の気随気ままをしながら一家の内をしめよう/\として勝手の欲をかけ手強く気強い故夫とも真の心の続ぎを切り親にも前生の理として続ぎが切れ又恩有る人にも続ぎを切り又他の男にも欲をかけて切りて恨まれて居るのであるから右の理を懺悔して気まま短気欲先の要害心の強い堅い心で目上に他人に限らず真に続ぎを切り情け心の無き精神を改良して真実より其の通り返しの心の事情定むれば利益あるべし。

 

 腹へ差し込むは気ままの欲で全て夫婦の中を短気にて切りたるのである。腰のあたりの筋痛みは我慢強情亭主の云う事を用いず聞かずして我れが登りきり亭主に尻を向けて気ままをしたるのであって又縁談の堅き約束を無にせし埃とも云うなり親不孝は勿論の事。

  全て子宮癌は親不孝気随気ままの事は勿論なり第一夫には貞節の心無く又子供可愛と云う心なく姉妹にも可愛心なく口先のみで人と定約した事は勝手次第に外して通る嘘偽りの埃。

 

当年十八才の女最初は筋リュウマチスの所次第に節々に現われしは関節リュウマチス。

 

 本人の性質は得手勝手気まま疳癪至って気短くして目上の云う事は用いず聞かず立てずして中々強情にしてあゝと云えばこうと云う一つ/\心に持って人にこぢくりたい性分にて一つ/\争い又我が身ひいき心から勝手の理詰めを組みては親又は目上の云う事を聞かず尻敷きにしたる強情高慢にて何とか人に節を付けるとか人の言葉の尻を取っては人に反対し逆らいたき性ゆえ全て筋にて引きしめるは右の埃からにて首に係りしは親をいじめてある理。

 本人前世の因縁は我が身を可愛がってくれる人を目下は見て尻に敷き気ままが余りて人を不足にして切り其の心故縁組しても人を不足にしては切り先方の男にも人にも恨まれ内の親には不孝夫には不貞女の埃が足の膝筋に現われ又筋は身びいきの引き込みより人を理詰めで押さえる埃此の前世が即ち今世に其の心通り十分有る故無論色情の間違いは有るなり。

  又娘本人の性質は母親の若き時か同じく母と娘と埃の思い違い前生共同様にして娘は殆んど前生だけの埃なれば今世は親の埃にて本人前世の埃が即ち親に有るなれば親子共改良すべきなり。

 母親亭主を不足にして尻を向け表面は夫婦の様なれども心は切って居る所ありて始終が金銭に限らず万事夫を見下げ我が理を立て引きしめて欲の深く強情張り通りて有り又其の前には夫に残念踏まし我が身にも残念せし埃あり。

 

当年四歳の女子三歳の時より両眼見えず又手足自由ならざる悩みの諭し。

 

 本人の両親色情縁談の道にて親に不孝の道を通り来たりことに母親我が出世名誉を望みたる為に親の苦労を無にして親に不孝の道を通り又我が目的の達せざる事ありて非常に心を痛め云わず語らず心配したる事情有り又若き時今では子の無いがよいと思い込んで心得違いをせし種もあり又我が身が何事も出来る自慢で人を見下げて心登りきり身引きの高慢我慢にて登り曲がりたるなり。

 

 又此の子供は朝明け方に宿りたる理にて此の理は前世より色欲の間違いの道ありて前世より昼色情を行いたる理なり我れ才智にて理屈を云うて人を困らし夫親の胸を痛めたる埃の懺悔第一なり。

 

 当年五十四歳男最初肩が凝り足だるく腹に廻り水落底つめたく右の乳の下も底つめたくそれより下痢発生の為一昼夜に十二三回程下痢す其の容体赤痢の如く腹の中に棒の如き突っ張り動気を打ち尻の穴の中折々針で突く様なる身上悩み諭し。

 

  此の人の性質は表皮より真底の心欲強い堅い我が身思案の心強き性質にてうぶ素直なる柔らかい思い切れよい心などは少しも無く堪忍の心も少しも無く神天理に切れ両親夫婦目上の者には皆切れて有る故此の恩を知らす恩を返す心なく日々表面の働きの事のみに心使い身体胸三寸を心が飛び出であゝしてこうしてと身に付ける算段ばかり強き故肩も凝り足もだるくなる。

 身体に心のあき家で居る故水落乳の下もつめたくなる又人を恨み人を憎みて日々これでも足らんあれでも足らんと足らん/\の不足でこすいせすい心で我が身通る思案の欲で人の云う事はこじり用いず聞かず何事も素直になく又内々理屈の云い合い不足の云い合いで有る故下痢赤痢となる。

 又尻の穴の中針で突く様な理は負け惜しみ強くして恩有る人でも云い込めやり込めするので又人に云われたる時は其の場云わずして後で充分腹立てたのである。又腹の中の棒の如きものは一面欲張り心の強いので有るが物事を巧みてはそれが外れ外れては又巧みして段々欲をかけ其の外れたる時には短気を起こし腹立て段々昇りたる埃なり。故に前文の性質無形の天理に切れ親の恩を忘却して親に切れ目上の者とも切れたる所よく懺悔すべし目下の容体では牛馬の道に落ちているのである故改良が第一なり。