頭 之 部

 脳病(但し脳病一般)高慢我慢の埃登りきる。

 

  全て親恩人不足。人を見下げ押える心。偉そうに云うて人を打つ心。身びいき身勝手。人を隔てる。例えば我の思う事云う事は違わん善いと思い我気に合わん事は人の云う事も聞かん用いんが如し又目上に相談せず我思ままする如く。欲しい惜しいの不足。親不孝。

 親目上の云う事にそむく。いわゆる心使いが高くして足納治まらず不足腹立つ。そねみ嫉み心強く高慢心は人心を迷わし惑わし人の心を煩わす狂わす。

 

 頭は天にて水冬の理冷やか下の温熱が上に登る逆上する上を上とせず恩人を恩人とせず立てべき人を立てぬ女なれば夫を見下る如く高慢我慢強き埃にて頭に昇る血が上に昇りて或いはとどこおり或いは腐る等。

 

脳膜炎 我慢高慢の心強く人に負けともなきと云う埃が登る。人を見下げる。表面は優しくとも内心気短く。例えば目上より気に入らぬ事を云われて表面は服従したる如く見せ内心に承知せず却って不足腹立の埃を積む如く全て心十分登りきりて人のする事不足高慢随一の埃。内の事を我まま気儘にしたい心。口に云わずこらえて居るのと。云い過ぎるのと。人を倒して我登る心。気随気まま頑固にて我が云う事を立て貫く理。

 

 或いは色情気ままより或いは女を偽り恨まれるとか男に腹立さす如く。全て恨み腹立の埃あり。炎は熱擦れ合い慈悲心なく惜しみ負惜しみの心。昔の驚風と同じ。小児に多く。又多く死を免れず治するとも多く低能児となる病、急性能膜炎も同じ。我慢高慢強き心にて万事我が思う様にして人の云う事を聞かん用いんという埃。

 

頭痛 我慢が昇る腹立が交ぜる。気が短く心強くて例えば親に云われても不足腹立そんな事は云わずとも分って居る知って居ると云う風で口答えする如く。又子供の頭でもはると気がすいとするが如き我の強い負けぬ気、又云わずにこらえて居る癇癪と。云い過ぎるのと。気の高い目上に不足。出来ぬ事や成らん事をあれもこれもと思い並べて不足を積む。思い詰める。又人の気を痛める(片頭痛も同じ)

 

脳貧血 親の譲りてくれたる財産不足に思う理是れも高慢がしたい性から台は高慢には違いない親又目上に不足我身可愛い我が勝手強く人に同情慈悲心の無き埃。又例えば我が日々人の下に住まにゃならん是れ残念にて云わず心陰に持つ不足心配我れの治まりがつかぬ物を苦にする如き。

 

脳筋症 は心に在る我慢高慢を見せようまいと表面優しく柔かく見せて居る心には十分此の埃あり又金銭上にても腹立の事情ある皆其の人/\に依って理分け。

 

頭が重い 是れは頭痛にて自分の自慢高慢で己の心を押えて居る埃。

 

蟀谷(こめかみ)の痛み 我慢からして己/\という心を使う腹立の埃。

 

脳出血 親又は人に心配をさせ。又馬鹿にして見下げ我身がえらい者の様に思いて人を下目に見て登りきりたる心強情強き埃(卒中も略々同じ理)

 

頭に逆上 我慢の負惜しみの強いが台我れの負ける事嫌いて是れも/\と思いならべて心であせる例えば上に登り度き事のみ思い詰め思い過ぎる如し。目上に不足、癇癪、和合せぬ埃あり気の高い女なれば夫婦の中女の気が強い如し。

 

脳充血 高慢我慢の心から目上を目上と思わぬ人を人と思わぬ埃。登りきる心親又は目上の人と続ぎを切る。万事思い込み過ぎる心にして人のする事まどろしく分け隔ての心強く人を眼下に見下す。親目上の云う事聞かん親に心配掛け人にも親目上にも切れる埃我れがかまうべきでなき人の事及び会計の事構う全て人に恨みを受ける。色情気ままの間違い、人と擦れ合い恨み恨まれる埃もあり(逆上、目眩等同、脳溢血は脳充血も略々同じ理)

 

脳背膸 是れより上の高慢は無い。例えば我れ程偉い者は無いと云う心。高慢我慢の頂上なり。

 

 脳に係る病名も此の他類似のもの数種有れども病根諭しの台は同じ。大抵皆大同小異にして又其の人に依って多少の徴候を異にすれば皆見分けが肝要なり。

 

頭をはられる は親不孝の理。但し子供の頭をはる事は心得違い也。頭は月日様の御宿り給う所極大切なる所故頭を打てばあほう気ぬけとなる。神様を打つも同じ道理なり。頭や顔の病気は全て皆親不足親不幸の理なり。

 

髪毛薄い 上を上とせなんだら髪は段々薄くなる。上に縁が薄い理なり。妻に取っては夫より上は無い。神心の薄い理。例えば若くして髪の毛の抜けるは目下には柔かく善く見えて目上の人に強い/\心の埃。辛が弱る理。神の系と云う前世より神心の真実薄き理。

 

 日本の人間は神に因縁厚き魂。外国の人間とは髪の毛色が異なる。神の系統血統神国と云う。忠孝を重んずる上を立てる国。神心厚き国なり。神の気髪の毛同じ理なり。故に髪の毛特別に赤毛等は外国人の生まれ変わりも有り。

 

 又禿頭病とか禿髪病等は其の原因に依っては一定にならざるが色情の埃多く。又真実薄い理親不幸の理より尚先祖の後を消す立てぬ理も有り。すべて万事前世よりうそを云うて人を偽りし理も有り。前世よりきたなき心にて人の恩を受け又物を借りても払う心の無き如し

 

縮み髪 目上の心を縮める理屈を云うて女であれば前世に夫を困らす如く。人の心を縮める。今世にも同じ。男なれば親目上に強い云うて困らす如し。人のする事成す事を不足に思い頭から人を押える如き心の疳ある。是れは前世より其の気質の悪しき癖の有る理なり(髪の癖に現れる)妊娠中にも皆親の心に其の理が有るなり。又ひがみ心の埃もあり。例えば未の年にて髪の縮みたる婦人の如きは一層甚だしい。

 

あほう 牛馬道から犬に出て大馬鹿と生れて次に馬鹿と生れるが順なるが。前世畜生がら上がる故知恵の働きが鈍い。五体の働きを主として知恵の働きなかりし故なり。

 

 阿呆と云うても一様でなく色々有り、又人間は智識の浅深といわゆる頭の善き悪しき階級は段々なるが知恵と云うものは持って生れるものではなく生れてから一つ/\習うて付くのではあるが、前世の徳に依って与わる定度が大抵限られてあるもので、前世に誠が無かりし故に智恵が与わらぬ。習うても付かぬが理なり。

 

されど心の修養に依って磨けば出来る。前生に人をあほうにしたる理も多く或いは前世が脳病癲癇気違いの者も有り。例えば賢い人の子にても愚人が生れるが如く皆前世の裏が来る理も有る。正義人道を踏みて誠を以て前世に熱心に事業に勉強し人の為社会の為になり徳を積み知能を磨きて生まれ替り死に替わり段々変わらず進んで来ると、後には一世に名を輝かす如き賢人とか達人或いは名人と云う如き非凡の人に進んで来る如し。但し熱誠は真実なれども、悪方面の熱心は成就せず悪は立たんのが天の理なり。

 

神経病 神経は気なり。気のつき過ぎる気を使い過ぎて不足を積む何にも成らぬ事に気を使い過ぎる。実行すればよけれど実行せずに思い過ぎる故不足となる。心の小さい狭い万事先を案じ心配する、気が付き過ぎ使い過ぎれば必ず不足生ず。

 

人の事ばかり不足人に気を付けて足納の心なく、不足/\を積む進めば乱心となる埃。神経病は不足のかたまりより起る。例えば上流の家庭なれば何が自分の思う様にならん事を不足/\にする。下等支社会なれば或いは日々生計上に付いて思う様ならんとか夫がかいしょがないとか、子を不足にするとか。夫不足妻不足親不足とか全て我身の行届かざる不徳の事等は顧みず人を不足にする。

 

人を恨む埃にて心のせまい欲の深い為、或いは親類交際等すべて金の入る事物の費える事を悔やむ、物事を苦にして出し惜しみきたない心故、人の事に骨を折るとか人を助けるとか云う誠のない心。

 

 第一精神病の性質は、気随我まま、我が思う様だけにやる性故、我が思う様に行かぬから不足を積むで心を悩ます。物事の理非、世の中の事が分らぬ。思い切り諦める心なく日々思い詰め気の発散付かざる心を煩う不足から辛が弱る、心が細る。自分の気随気まま思う様にする高慢故、頭に昇る。物の惜しい、人に出す物でも惜しいは心小さい穢い真実誠が無い心にて欲が深い故、物が分らん、心が一つも定まらず薄弱にして浮雲の如く、足納という事を知らぬから足る事を知らぬ。皆欲が深い故にして先きを案ずるも、物事を苦にするも同じ事。自分の事を棚に上げて人の事人ばかり不足にする如し、間違ったる心故、心はやせる丈夫になき故、些少の事にても揺すれる変る。

 

 かくの如き性質より或いは親類縁者兄弟とか恩有る大切なる所、又世話すべき人、尽くすべき義務有る所にても惜しみて、欲から出す事も成す事もせず切るとか、親兄弟大切な所と不和になるが如き因縁を作り、夫婦の間柄を始め、家庭の間柄にても互いに勝手気ままより和合せず、全て人と気が合わぬ所より種々なる種有りて芽切り来たる。

 

 心が堅くるしく人の心を痛める勿論、足納して結構でも結構と思う心なき故、陽気の心も勇む喜ぶ心もなき故、精神が養えんから精神の病となる。

 

 たとえて申さば一年の陽気にしても同じ事、何時も我れの勝手のよき思うままに春・三四月で気持のよい気候ばかりで通ろうと思うても寒さ暑さの冬や夏がなくては春が来ぬ如く。それを無理に春ばかりにせよと思うて不足するような道理にて、自分の届かぬ事や悪しき事不徳の事をわきまえて諦める心なく、世の中の事物の理が分らぬ皆間違うたる心故、進めば気違いともなり馬鹿ともなり、人間の価値が無くなる但し、神経と云うても一様ではない軽いものもあるが何れにしても理は同じ心のしっかりせぬは埃なり。

 

気違い 全て気違いとなる埃は性質高慢我慢強く、欲深く短慮にして物事我が思う通りに成らぬ時は人を恨み、腹立たる時は前後を忘れると云う心にて、其の病気とならぬ時でも一時は気が違う理の重なりたり、色情間違いの悪しき種、又欲の間違いの悪しき種が有るなり。

 

 其の病者の容態其のなりふり行為に現わる所にて、病恨の事情を見分け聞分けが肝要なり。人の恨みを受ける大なる埃の種有って芽切る恨み残念の埃である。全て三十歳以上は本人性質行為が種なれど三十歳迄は両親の埃が本人前世因縁と現るなり。

 

 高慢の性質にて、高慢とは我れの欠点穴我れの間違いには気が付かず、人の事、人の穴に目を付けて、人の穴人の間違いをのみ云い、恨み、平素の不足腹立の強い心故、間違うなり。

 

気の強い、欲の深い人の心と皆違う人と気が合わず、人を恨む質。前項の神経病の心使いと同じ。長じて乱心気違いとなる。我身を恨むべき事、我身を恨むと云う事を知らずして我れの悪しき行届かぬ所は少しも顧みず人を恨み詰め怒り腹立つ心にて逆上する。全く天理に反する欲の深い埃故神様に切れる。神様の屋形を借りたる人間としての神魂の働きが利かぬ様になるのである。気が違うのは心得違いをなす故違うなり。精神は五臓が元神の力に依って心が働く。是れが神に切れて乱心となる神人の続ぎが切れるなり。

 

 例えば、男なら地所山林等非道の取込みをなし人に残念を踏ましたるか、我が思う様ならん所を十分恨みつめるとか、又色情縁談の道にて女を苦しめ迷わし偽り、遂に狂い死にさせしが如き間違いあるとか。

 

女ならば人の夫を盗み、人に残念さし、又我が夫の残念踏ますとか、又は縁談色情の道にて親に十分心配さし、家内中我が思惑通りにさせようと思うて成らず、人を恨みて残念/\に思い詰め、人を不足/\にして疳を起こし、親子兄弟親類等に至る迄人を思う様にせよとして我身を恨む諦める心なくして人を恨み詰めて神経より気違いとなるとか。

 

 或いは同様の埃から人を中傷し、遂には人に害毒を及ぼし、腹立恨みの因縁を作り、我れも腹立、親子親戚義絶するとか人の心を狂わすが如き、人の心を乱して行く故、我が心も乱れる如し。

 

 或いは色情にて男なれば女をひどい目に合いし女の立行かぬ様な事をなし、十分難儀をさし、又無理非道の行為からひどい所に落とし、女を苦しめ女の残念の理が回りて我れが心配残念の思い詰め天の理に迫り天理を恐れて神経より気違いとなるが如し。

 

 或いは金銭田地等に付いての欲の間違い。人面獣心の行為をなして人に恨みを受けると、其の反対にて前世我れの因縁にて人に損失を掛けられ我身の因縁不覚なる事をわきまえず諦めずして、十分残念遺恨に思い詰めて起るとか。例えば、夫が間女房するのを妻が腹立て恨み残念で思い詰め、平素にても気の違う程腹立の心より遂に重なりて乱心となる如し。

 

 又人に残念をさせて我れが気違いに成るかと云う人にさす位の者は、必ず自身も残念あるに依って同じ理に迫るなり。前世より心を狭くして者を思い詰め云わずして心の埃を積む如く、又人の気を迷わせ狂わす行為の現れる等。

 

  気違いも高い所より飛んだり、危ない所を通る如きは出来ん事をする我の心より現れる。笑う気違いは、多くは色情にして道ならぬ行いの埃おこる奴は、多く金銭田地等の争いにて、或いは裁判等にて人に恨み腹立ちさしたる癇癪の現れ。泣くは親とか人を泣かし、残念及び心配をさせて又我身残念心配し心のつまりたるの現れる如く。

 

 或いは刃物でも持って振る様なのは遺恨有りて鬱憤晴れぬ事情が有る如く、種々様々の状態を現すものなれば天理より見分ければよく悟れるものなり。天は皆知らしめ給う。

 

 気違いなどは生前より欲深く、人面獣心の現れる人にあらざる畜生以上の醜態を現して、ごうを晒す社会の見せ示しと等しく、人間の徳は全く皆無となる神の残念と知るべきなり

 

癲癇 前世天の恩に尽き、恩に罪が重なった理にて天の立腹なり。気違いの理の気の弱い奴、気短くても表面おとなしいが癲癇。気違いの方は表が横道にてきつうて、心も強情、あたかも男と女の如き違いあり。他人に知らさぬ様/\包む心多い。親不孝恨み残念の埃。

 

 気至って短きを表面長く見せて居るが如し。心高く癇癪人の恩を何とも思わぬ如く、目上に従わぬ。前世より色情に限らぬが人に恨み残念を踏まして有る事情必ず有り。此の病は残念の現われと云うなり。

 

 例えば子供にして女の子なれば前世色情にて男をだましたる埃にて今世母親に同様の埃にて現れる如く、男の子なれば父親同じく女をだます皆癇癪かんてきの現れなる如く、又其の両親共に縁談色情の道にて親に不幸親を苦しめたる埃にて現われる如し。本人は前世に其の通りの行いがして有る故、因縁として宿り居るもの本人は前世だけ故両親が懺悔せねばならん。

 

 但し、男子なれば父が六分母が四分、女子なれば母が六分父が四分の理の懺悔。もっとも病気の起る年齢、昼夜の刻限を定めて起るものとか、起こりかけて何日間と云う定まりのあるものとか、或いは水を見、火を見、人を見て起こるとか、全て其の有様によりて細密に見分けする。全て極癖の悪しき色情を重ねたる埃ありて、例えば我れの悪事を人にかぶせる故、夜も心安らかず心配するが如き、全て色情縁談の道に付いて癇癪の埃あり。

 

 又例えば我身の欠点とか病身とか何が落ち度の有る事、又過失の有りし事等にて、親目上に一言も云えぬようにやり込められ、十分残念を云われて返答も出来ず、我れの心高く負けん気の強い所から恨み腹立ち、夫婦の間柄のくにも逃れず、切るにも切れん如き所で残念詰まり積もりて迫る如きの理あり。

 

 或いは商売上なれば堅く定約して置きながら、我れの重欲にて計略を以て人に泡を吹かし、損害を掛けて人に残念を踏ますが如き。

 

 又、例えて申せば交際上懇親にして居る人の妻を盗み、其の女は我が夫がいやになり、自身も我が妻が嫌いになり、故なくして離縁する事出来ず、女なれば我が夫に対し気随気ままにしていやがらせて離縁をする。自分も我が妻に難癖付けて離縁する。後に間男夫婦となるが如く、知らず/\人に泡を吹かし恨み残念踏まさす如く。

 

 或いは人と争論をなし、表面上仲直りせし風に見せ、内心執念深く残念晴れずして其の者を暗殺にせんと時期を待つ際に、あたかも其の者に落ち度有りてそれをつけこみ、又は計略を以て罪に落とし入れるが如き。全て病状に依って甚だしく人の目を引くものはそれだけ甚だしき行為ありしものと見るべく。

 

 例えば前世大癇癪にて堪えられぬ所より、人を殺害せんと刀とか刃物を振るって人を追掛け傷つけるとか、又は高い所とか河池の如き岸より突き落とすが如く、人の気を失はずが如き執念深く人を恨み、人を敵し付き狙いて、人に身の置き所なき如き苦しみをかけ、家族近親の者にも心配掛け、人目の恥も前後わきまえず人の心を驚かす如き行為の現われるが如し。かくの如きの理にて或いは夜中突然夢中に悲鳴をあげて驚くとか、陰から魂を縛られる如き心中騒動の状態を現すが如し、皆其の人/\に依って見分ける事肝要なり。